さあ、再び!ネーションズリーグ、大波乱!
激動のクラブサッカーのまたもや激動となったシーズンも閉幕を迎える中、この美しきスポーツのファンたちは国際サッカーの舞台、今年のネーションズリーグ決勝へと視点を移す。2試合で4チームから銀杯を掴むことになり、ロッテルダムとエンスヘデーでは火花が散ること間違いない。
ではさっそく、今週の準決勝の激戦を見ていこう!
目次:
- オランダ 対 クロアチア
- スペイン 対 イタリア
オランダ 対 クロアチア
水曜日のクロアチア戦でホームのアドバンテージを活かしたいのは、オランダだ。ロナルド・クーマン監督は前回ネーションズリーグを上回る結果を残し、35年に渡る優勝杯の渇望を癒したいところだ。
元バルサ監督であるクーマンが3月にOranje(オランダナショナルチームの愛称)を再び指揮することになったが、フランス戦ではキリアン・エムバペがブレースを決め、0-4で大敗し多難な走り出しとなっている。とは言え、次の試合ではジブラルタル相手に3-0で立ち直り、ユーロ2024進出に向けた道のりを軌道に戻した。
とは言え、オランダのネーションズリーグでの最近の調子は非常に見事なものであり、ベルギーやポーランドなどの強豪を下してリーグAグループ4をトップで終了し、その成績は5勝1分となった。故障により休場となったメンフィス・デパイにはもう頼れないものの、クーマンにはコーディ・ガクポやドニエル・マレンなど、クラブレベルで今シーズン活躍した選手が揃い、十分な火力がある。
さらに、デンゼル・ダンフリース、フィルジル・ファン・ダイク、マタイス・デ・リフト、ナタン・アケ、さらにフレンキー・デ・ヨングなどの彗星のごときミッドフィルダーを揃え、オランダはここで成果を残せるチャンス満載と言える。
とは言え、国際サッカーの場での最大のダークホースとなっているクロアチアを下さなければならず、今回も簡単な道のりとはならないだろう。Vatreni(クロアチアナショナルチームの愛称)は昨年のワールドカップのオッズをひっくり返して3位となり、最近も直近20試合でわずか2敗と絶好調となっている。
このネーションズリーグではグループ開幕戦でモドリッチが不在の中オーストリア相手0-3で負けたにもかかわらず、ズラトコ・ダリッチ率いるチームはデンマークと前回王者のフランス相手に見事に立ち直りを見せ、決勝進出を果たした。
さらに、モドリッチ、ヨシュコ・バルディオル、マテオ・コヴァチッチ、イヴァン・ペリシッチなどが揃う中、クロアチアには相手に頭痛の種を植え付けるだけの十分な力があり、この大会が「ゴールデン・ジェネレーション」最後のトロフィー獲得チャンスとなっていることから、なんとしても勝利をつかみ取りたいところだ。
おもしろいのは、このチーム同士の対戦は以前わずかに2度のみとなっており、両チームがそれぞれ1勝ずつしていることから、結果が読めない。ほんの少しの気のゆるみか、個人技が光る瞬間に勝敗が決まる、拮抗した試合が期待できる、と言うことだ。
何が起ころうとも、緊張感に満ちたぶつかり合いになるだろう!
スペイン 対 イタリア
2021年ネーションズリーグ準決勝の再来カードとなる木曜日、スペイン対イタリア戦に注目したい。去年は、La Roja(スペインナショナルチームの愛称)は、相手の記録破りの37試合無敗の流れを止めて優勝した。今回は、2年前の大会をさらに上回る勝利を決めたいところだ。
現在のスペインにとっては大きな変化が見られている。2021年のチームメンバーのうちわずか6名のみがネーションズリーグ決勝でオランダに遠征したことがあるのだ。さらに、元U19、U21の監督であるルイス・デ・ラ・フエンテがルイス・エンリケに代わっており、新たな風がもたらされることになる。前監督は、La Roja(スペインナショナルチームの愛称)がワールドカップでまさかのモロッコ戦で黒星を喫したことで、去ることとなった。
デ・ラ・フエンテの経歴の始まりは、初試合となったノルウェー戦を3-0で快勝した後、その勢いは短命に終わり、ランク外のスコットランド相手にユーロ2024の予選で3月に負け、プレッシャーを払うためにここで何とか勝利したいところだ。
この対戦は、ロドリゴ・モレノ・マチャドなどの周辺的役割を果たす選手にとって理想的なチャンスとなる。ここで実力を見せられれば、ペドリやフェラン・トーレスなどのようにレギュラーとしての座を固められることだろう。今シーズン、リーズ・ユナイテッドで降格が決まってしまったものの、元バレンシアで活躍した同選手は全大会35試合で15ゴールを決めており、レアル・マドリードへの移籍話もでて来ている。ここで存在感を示せるかどうかが問われているのだ。
前回のこのカードで終わってしまった輝かしい戦績の流れをここで取り戻すべく、ロベルト・マンチーニとGli Azzurri(イタリアの愛称)の再構築が進んでいる。あの敗戦でイタリアは実際に調子を崩してしまった。マンチーニはワールドカップ進出を果たせず、次世代のサッカー人材を集め直す段階に後戻りしてしまい、今でも、その立ち直り過程にある。
イタリアのユーロ2024予選キャンペーンでは見事な走り出しとはならず、イングランド相手に1-2の負けを喫し、マンチーニ率いるチームはマルタ相手に0-2で勝利し立て直した。
しかし、マテオ・レテギがこの2試合での光明となった。アルゼンチン生まれの同ストライカーはイタリアチームとしての出場2試合でゴールを決め、国際サッカーの舞台で見事なデビューを果たした。夏にはインテルナツィオナーレ・ミラノへの移籍話が出ている中、レテギは3試合3得点を狙えるチャンスが十分にあり、昨年のワールドカップ進出を逃した悔しさを塗り替えたいところだ。
何が起ころうとも、どちらにも振れ得るスリルあふれる試合になるだろう!