仮想通貨ニュース
2020-12-21 13:43:00

オーストラリアの暗号通貨取引所が27万アカウントを危険にさらす

杜撰さは時に企業の評判を落とすことがあり、それが人々が金銭を失うようなミスの原因となったならばなおさらです。オーストラリアで人気の高い暗号通貨取引所であるBTC Marketsが最近陥った状況は、金融サービスの中央集権的なプロバイダーに個人情報を預けることがいかに危険であるかを示しています。 

目次:  

  1. BTC Marketsが何千人ものユーザーの氏名とメールアドレスを流出 
  2. 急いては事を仕損ずる

BTC Marketsが何千人ものユーザーの氏名とメールアドレスを流出

暗号通貨の匿名性とセキュリティは、常に個人投資家にとって魅力的なポイントの一つとなっています。残念ながら、最も洗練された暗号技術でさえも、デジタル資金とそれに付随する機密データを人的エラーから守ることはできません。

このような危険な過失の最新事例は、オーストラリア最大であると主張している暗号通貨取引所、BTC Marketsが犯しました。Redditやツイッターに多数投稿されたユーザーの不満や苦情によれば、この取引所では、従業員の一人が無意識に起こしたと思われるセキュリティ侵害が発生し、その結果、27万人以上の顧客の氏名とメールアドレスが誤って流出しました。

同社が評価されるべき点は、このような状況に陥ってもデータが流出した事実を隠そうとせず、公式ツイッターでユーザーに告知、ユーザーデータの取り扱いに不注意があったことへの謝罪を行いました。BTC MarketsCEOであるCaroline Bowler氏もすぐに謝罪のツイートを投稿し、その後、データ流出が起きたのは、同取引所が更新情報やニュースレターを顧客に送信するために外部のメールシステムを利用しているためだったと説明しました。データ流出が発生した122日、同社のマーケティング部門は、USDTの上場が近づいていることや、SPARKトークンのエアドロッププログラムへの参加についてのニュースを配信していました。

急いては事を仕損ずる

今回の流出事件は、メール配信を担当している従業員が、1回の送信で1,000通のメールを一括配信できないかと考えたために起きたものです。通常、このようなプロモーションは、ブラインドコピーを使ったり、個別にメールを送信したりして行われます。しかし、この従業員は顧客にエアドロッププログラムについて早く告知したかったのでしょう。いずれにしても、ミスを犯した従業員はそれぞれの受信者が他の999人のユーザーの氏名とメールアドレスを見ることができる形でメールを送信してしまいました。どうやら、バッチ形成と送信は自動化されていたようで、一度処理が開始されると、送信者はエラーが発覚してもそれを止めることができなかったのです。

機密性の高い金融データは一切流出していないとはいえ、ユーザーの実名とメールアドレスが分かれば、流出した情報を基にフィッシングキャンペーンが行われるのには十分です。取引所は、データ保護のための独立した規制機関であるオーストラリア情報委員会(Office of the Australian Information Commissioner)に事件を報告することを約束しました。また、内部調査を実施し、データセキュリティシステムの改善を行うことも約束しました。一方、同社は今回のデータ流出の影響を受けたすべてのユーザーにも連絡を取り、暗号通貨アカウントのセキュリティを強化するために二要素認証の使用を推奨しました。