今後のサッカーでの注目はワールドカップだけじゃない!クリケットとラグビーリーグもお見逃しなく!
「冬のワールドカップ」と聞けば、ほとんどの人がFIFAワールドカップ・カタールを思い浮かべるだろう。しかしその前に、他にも多くのワールドカップがスポーツ界で開催される。クリケットとラグビーはその好例!
2022 T20ワールドカップは、地球上で2番目に人気の高いスポーツの試合展開が早いゲーム、各国の最強選手たちが栄光を目指して競い合う。2021ラグビーリーグワールドカップも同じ、男子、女子、ウィールチェア部門が世界の頂点を目指して競い合うことになる。
2022 ICC 男子T20ワールドカップ
展開が早くスリル満点のトゥエンティ20クリケットが「ダウンアンダー」ことオーストラリアで開催、男子T20ワールドカップが迫る。この形式は常にガチンコのぶつかり合いがみられ、世界最強のクリケッターたちがオーストラリアへと舞い降りることになる。
T20ワールドカップが再びやってきたのに驚きを禁じ得ない人も多いだろう。前大会はわずか2年前、コロナパンデミックで遅れた後UAEとオマーンで開催された。2021からさらにさかのぼる前回大会は、はるか2016の昔に開催されており、直近のこの過密具合はクリケット観戦を盛り上げるに違いない。
オーストラリアは開催国であるだけでなく、2021年に初のT20ワールドカップの栄光に輝いて以来、現王者となっている。結果として、この大会で連勝する初の国となり、さらにホームの地でチャンピオンに輝く初のチームとなるチャンスがあるのだ。ホームのアドバンテージがさらに際立つ中、オーストラリアの勢いを止められるのはどのチームか?理論上オーストラリアは有望視されているものの、ワールドカップに先立つ成績は振るっていたわけではない。このトーナメントを前に3つのT20 テストシリーズが予定されたが、1勝(対西インド諸島)1敗(対インド)となっている。3つ目となるテストシリーズは、この記事執筆時点で現在進行中、イングランドが1-0でリードしている状況だ。オーストラリアには課題も残されているが、主力バッツマンであるデビット・ワーナーが75と73と言う強烈な数字をたたき出している事もさながら、最近起用したティム・デビッドはもちろん、中盤のバッティング選手の充実ぶりがうかがえる。
イングランドは2010年以来T20ワールドカップで勝利がないが、それでも50オーバークリケットワールドカップの現王者(2019年優勝)であり、チームのクリケッターの多くがT20 フォーマットでのプレーに慣れている。その最たる例が、ジョス・バトラーとベン・ストークスだ。ストークスのイングランドでのワンデーインターナショナルとテストのクリケットでの活躍は、同選手が相手にとって常に脅威であることを証明しているが、この大会で最多得点バッツマンの1人となっているのがバトラーである。他には、パキスタンのババール・アザムとモハマド・リズワンがいる。バトラーは、イングランドを優勝候補とは見ていないが、相手にとって危険な存在となるだろうとみている。
昨年のワールドカップでは、最多ラン得点選手となったのはババール・アザムであり、同パキスタンチームキャプテンは前回大会の準々決勝でパキスタンを敗退させたオーストラリアに今大会でリベンジを果たしたいところだ。オーストラリアにリベンジを狙っているもう一つの国が、隣国ニュージーランド、昨年はランナーズアップでの終了となった。ケイン・ウィリアムソンとチームメイトらはインターナショナルクリケットでは呪いがかかっているようで、2015年と2019年のクリケットワールドカップでランナーズアップとなっており、インターナショナルトーナメントでチャンピオンに輝ける瞬間を心待ちにしている。それが今回となるのだろうか?
T20ワールドカップを複数回優勝したことがあるのは西インド諸島のみ(2012年と2016年)だが、2021には防衛王者としてはふがいないパフォーマンスにより、今年のトーナメントでは第1ラウンドからの参戦となり、スーパー12へと潜り抜ける必要がある。すでに述べたように、オーストラリアにT20 前哨戦で負けているが、直近のウォームアップ戦ではUAEを下している。カリブ海からの同チームにとってのトーナメントは数日後に対スコットランド戦を皮切りに始まることとなり、相手には相手には伝説的選手となったドウェイン・ブラボーとクリス・ゲイルがすでに不在(両名とも前回T20 ワールドカップで引退)な中、昨年よりは良い成績でスーパー12へと進出したいところだ。何より、同チームは次回ワールドカップ2024年大会開催国である(米国と共同開催)中、防衛王者として開催国となりたいところでもある。
2021ラグビーリーグワールドカップ-男子、女子、ウィールチェア
今月、ワールドカップが始まるのはクリケットだけではない。2021ラグビーリーグワールドカップ(コロナで延期開催)もお忘れなく!ラグビーリーグ界の注目はイングランドへ、男子、女子、ウィールチェア部門の開催国だ。ザ・スリー・ライオンズ(イングランドナショナルチームの愛称) は前男子トーナメントで2位となり、ショーン・ウェーン率いるチームは今回さらに成績を伸ばし、ホームの地でトロフィーを掲げたいところだ。
同チームの行く手を阻むのは1つのチームのみ、まさに巨人であるオーストラリア。カンガルーズ(オーストラリアナショナルチームの愛称)は直近9つのワールドカップを見事に勝利しており、このスポーツでの覇権を感じさせる成績となっている。驚くまでもなく、今回の優勝国としても有望視されているが、同チームは2019年以来インターナショナルマッチを戦っておらず、さらにこの国際戦の舞台で13名の選手をデビューさせる。このフレッシュなチームは実力を発揮できるのだろうか?
オーストラリアの初戦はフィジーとの試合、2017年ワールドカップでは準決勝進出を果たしサプライズとなった。同国はもう一つ別の強豪国であるニュージーランドを準々決勝でも下しているが、フィジーはこのトーナメントを前にワールドカップ前哨戦で最近パプアニューギニア戦とイングランド戦でも黒星を喫している。
ニュージーランドは前大会よりもパフォーマンスを上げたいところ。キウイ(ニュージーランドナショナルチームの愛称)はイングランドのクラブであるリーズ・ライノズに74-0で、さらに別のウォームアップ戦でトンガに勝利している。2017年にランナーズアップとなったイングランドは、この大会の伏線馬の1か国であるサモア相手の試合で大会を始めることになっており、ショーン・ウェーン率いるチームの故障者リストを見ればイングランドの勝利はなさそうだとみる向きもある。とは言え、あらゆることが起こる可能性がある!
女子ラグビーワールドカップはここまで2大会を優勝したオーストラリアが防衛を試みる。2017年には、向かってくる相手すべてをなぎ倒し、大会全体を通し無敗で優勝を固めた。また同じことが繰り返されるのだろうか?あの決勝戦ではニュージーランドを下したが、偶然にも同国はオーストラリアより多くのワールドカップタイトルを持つ唯一の国(オーストラリアが2回優勝、ニュージーランドが3回優勝)となっている。この2か国のみが、女子ラグビーリーグワールドカップを優勝した経験があるが、他にもイングランドやカナダ(以前準決勝に進出)など、前回までの成績を乗り越えてきそうな強豪チームも存在する。
ウィールチェアラグビーリーグワールドカップは一方、今回が4回目の開催となり、2008年の初回大会を優勝したのはイギリスだ。以来、フランスが世界タイトルを連勝しており、3連勝を目指して今年も参戦する。イギリスとフランスの間のライバル関係は前2大会でできたものであるが、今年の大会では初となるワールドカップのトロフィーを狙う強豪国も多い。ヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアからの参加国がある中、どのチームにも波乱を起こせるチャンスは秘められているのだ。