復讐の場が再び－オレクサンドル・ウシュク対アンソニー・ジョシュア2の対戦をレビュー！

オレクサンドル・ウシュク対アンソニー・ジョシュア2－再戦

あらゆる面でこれぞ本物のヘビー級の一戦となる。サウジアラビアで8月20日、The Rage on the Red Sea（レイジ・オン・ザ・レッド・シー）と名付けられた一戦が開催される。注目が集まるこの試合の開催場所は海に面したジェッダの町、ヘビー級タイトル以上のはるかな重みのある試合となる。

両選手の間の火花が散ったのは去年9月のロンドンだ。イギリス人ボクサーのジョシュアを下し、ウクライナ人ボクサーのウシュクがIBF、IBO、WBO、WBAヘビー級チャンピオンとなったその瞬間からである。その時の初試合は2名の豪華選手の見事な戦いとなり、その実試合は最終12ラウンドまでもつれ込んだ。しかし、ノックアウトがなかったものの、判定は一致してウシュクの勝利となった。

以来11か月、両選手はどのように準備してきたのだろうか？

ウシュクは、リング上ではほぼ何事も起こっていない。近年、同選手は1年に1度の試合に押さえており、さらに直近ではウクライナ人のために報いるとのもう一つのプライオリティを持っていた。ロシアによる今年初めの侵攻以来、戦争で戦うためウシュクはウクライナ軍に入隊したのだった。同国スポーツ相の許可により、後にトレーニングに復帰し、ジョシュアとの再戦に備えることとなった。

試合に負け世界タイトルを失ったジョシュアは一方、栄光を取り戻すため再戦を契約するのに躍起になっていた。ロンドン生まれのジョシュアが1試合目ではアドバンテージがあったことは特筆に値する。さらに、試合中には賭けに出たような場面もあり、結果としてうまくいかなかった。今回は、入念な準備と併せ、同じ過ちは繰り返せない。前回9月の1試合目の再現が恐ろしいだけでなく、その後に起こった疑惑と批判もがジョシュアにのしかかっている。ウシュク戦での負けにより起こった実力への疑問を背負う中、ジョシュアはその批判のすべてを跳ね返したいところだ。

ウシュク対ジョシュア2戦前の予想を練ってみよう。

この試合を前に際立つ事実と言えば、ウシュクはそのキャリアでいまだに負けたことがないことだ。「キャット」とのニックネームを持ち、これまで19戦全勝、目の前に立ちはだかる試練すべてを乗り越えてきた。クルーザー級からヘビー級に階級を上げて以来、直近2戦はどちらも判定一致の勝利であった。この勝利はイギリスきっての2名の選手、デレック・チゾラとアンソニー・ジョシュアその人からのものであり、どちらも12ラウンドフルに戦い、ウシュクは優勢を保ちぬいた。この再戦は、ジョシュアのタイトル奪還の執念から、おそらく最終ラウンドまでもつれ込むだろう。

ウシュクより3歳若いジョシュアは、ウクライナ人の相手より身長もより高くリーチも長いが、それだけでは初戦を勝てなかった。アンソニー・ジョシュアは、あのウシュク戦での敗戦以来リングには上がっていないが、あの試合で何を間違ったのかを分析するのに十分な時間ができた。ジョシュアのキャリアで2つのみの黒星は、直近4試合からのものである。1つはもちろんウシュク戦、ただしもう一つは2019年のメキシコ人ボクサー、アンディ・ルイス・ジュニアからのもので、生涯唯一のTKO負けとなった。ただし、ルイスとの再戦で勝ったのはジョシュアだということは外せない事実だ。初戦を負けている今回も、この流れを作れるのか？偶然は他にもある。ルイス・ジュニア相手に勝利したのはサウジアラビアでのことだ。ジョシュア対ウシュクの再選も、サウジアラビアで開かれる。サウジアラビアでのうれしい追憶が、リベンジを成功させることになるのだろうか？

まさしく大一番となる。両選手とも自分の力を信じ切っており、相手の実力も試合を通して知っている。勝者の予想は至難の業だ。ウシュクには、無敗記録と初戦での勝利経験がある。パーソナルな部分でも、ウクライナの人々のために戦いたいという思いももちろんあるだろう。対するジョシュアは、昨年9月のあの日に失ったタイトルを取り返す決意でいるだろう。イギリス人ボクサーのジョシュア、見せるべきものは多くある。あの試合で沸き起こった疑念と批判を晴らすこと以上に望むものはない。

試合観戦、そして賢いベットをお忘れなく！