IIHF世界選手権のプレビュー!
ホッケーファンにとって今後の数週間は最高にエキサイティングなものになるでしょう。なぜなら国際アイスホッケー連盟(IIHF)の世界選手権が再び、フィンランドとラトビアの氷のアリーナで熱戦を繰り広げるからです。
激戦が予測されるグループステージや重要なプレーオフを控えたこの大会は、私たちを熱狂させること間違いなし。私たちは手に汗を握ってこのトーナメントの行方を見守ることになるでしょう。
さらには、このトーナメントの開幕に当たり、「自国でプレーする利点を活かしてフィンランドがタイトルを守ることができるか?」、「カナダが金メダルコレクションにさらにもう1つメダルを追加できるか?」、「アメリカが十分な選手層をもって最後まで戦い抜くことができるだろうか?」、「予想外の未知の力を秘めたチームが出現するだろうか?」など多くの話題が持ち上がっています。
さあ、前置きはこのくらいにして、今後数週間のIIHF世界選手権を検討してみましょう。
金メダルに向けてのレース
このトーナメントの優勝候補を考えるとき、ほとんどのブッキーや専門家が、共同ホストのフィンランドと、カナダを挙げています。この2国は過去2年間決勝で戦っているため、妥当な予測といえるでしょう。

フィンランドは、これまでの優勝歴についてカナダに及ばないものの、過去数年間で本大会の勢力図を大きく塗り替えました。本大会の全歴史において4回しか優勝していないものの、最近の4大会のうち2回(2019年と2022年)優勝し、さらに2021年には銀メダルを獲得するなど、相当な勢いを見せています。
さらには、毎年コンスタントに才能ある選手が生まれているだけでなく、フィンランドは2年連続で自国でプレーできる恩恵にも恵まれました。
問題は、昨年の勝利のスピリットを引き継ぎ、再び金メダルを手に入れるだけの実力をフィンランドが持っているだろうか、ということです。

フィンランドに優勝する実力がないことを願っているのは、本大会で金メダルを獲得する上での主要なライバルである、カナダ。多くの人が、金メダルの有力候補としてカナダを推しています。
非常に興味深いことに、前々回にカナダが本大会で2位に終わった時(2019年にフィンランドに金メダルを奪われた時)には、その翌大会(2021年(2020年は中止だったため))で金メダルを獲得し、27回の金メダル獲得という、ロシアの優勝歴に肩を並べる快挙を成し遂げました。ロシアが出場しない中、本大会はカナダにとって、昨年の決勝敗退の雪辱を晴らして新記録を樹立するための絶好のチャンスとなることでしょう。
後を追うチーム
「ついに今年こそ、アメリカチームが金メダルを手中に収めるだろうか?」まさにこれこそが、アメリカチームがアイスリンクに滑り出す準備をする中、アメリカのホッケーファンが口にする話題です。

NHLがホッケーリーグの「最高峰」であると言える一方、伝統的にアメリカは国内リーグの成功を国際舞台で再現することができずにいます。本大会の歴史全体において、アメリカが金メダルを獲得したのはわずか2回にすぎず、前回の優勝は1960年です。
皮肉なことにNHLは、本大会におけるアメリカの成績が優れない原因の1つとなっています。本大会は、NHLのポストシーズン中に開催されます。つまり、才能ある選手たちの一部がIIHF世界選手権よりもスタンリーカップを優先させるのです。本年も同様に、才能ある選手たちがNHLのプレーオフに出場しており、ライバルチームに比べて選手層が薄くなっています。

最近の不本意な成績を塗り替えたいと切望しているもう1つのチームはスウェーデン。スウェーデンは本大会で11回の金メダル獲得という輝かしい歴史を持ち、そのうちの2回は2017年と2018年です。また、多くの才能あふれる選手を持つチームでもあります。
また、本大会は隣国のフィンランドで開催されるため、スタンドでは多くのファンが彼らを応援することになるでしょう。しかし、これらの要素が、彼らが優勝を手にするために十分かどうかは、実際に大会が始まるまで分かりません。
ダークホースとなり得るチーム
最後に、チェコやドイツも、本大会のダークホースとなるチャンスを狙っています。

チェコは昨年本大会で銅メダルを獲得しただけでなく、この大会に向け、ユーロホッケーツアーでも好成績を収めました。一方ドイツは、2021年に4位に達しています。前回は7位と成績が優れなかったため、その雪辱を晴らしたいと闘志を燃やしていることでしょう。
これらのチームが優勝すると予測するのは少々無理があるかもしれませんが、いずれのチームもグループAを突破するだけの実力は備えているはずです。

一方、グループBで予想外の展開を起こす実力を持つチームはスイスとラトビア。スイスは、ユーロホッケーリーグで週末にフィンランドとチェコを立て続けに打ち破り、この勝利の勢いを持続させようと奮闘することでしょう。またラトビアは、自国でプレーできるメリットを最大限に生かし、地元ファンに勝利をもたらすために全霊を傾けるはずです。
何が起こるかはわかりませんが、スリル溢れる大会となることは間違いありません!私たちは皆、目の前に繰り広げられるエキサイティングな戦いにくぎ付けになることでしょう!